和室の柱を削って白くした後は、壁に漆喰を塗りました。
この作業は下地作りに手間がかかったけれど、塗った後の壁は本当に真っ白でキレイになります。
そして思わぬ効果だったのが、なんだかとても空気がすがすがしくなったこと。
実は本物の漆喰の壁を全然みないままに、部屋の状況から漆喰を選ばざるを得なかったのですが、今では全室漆喰にしたいかもと思うほどに気に入りました。
暗い和室に悩んでいる方はぜひ、やってみてください!
漆喰を選んだ理由は2つ
- コンクリートの表面があまりに荒れていたから
- 結露によりカビが生えていたから
躯体のコンクリートがデコボコで枯れ草が飛び出ていた
本当は、ペンキで塗装にしようと思っていたのです。
塗装の風合いもいいし、以前住んでいた家で壁紙の凹凸に入り込んだ汚れがなかなか落ちず苦労したことがあり、塗装面ならツルっと拭き取れる気がしたので。
でも壁紙をはがしてみたところ、あまりに無残な状況でした。
左側みたいないかにもなのが希望だった。でも、ある程度は覚悟してた。パテ塗で凸凹をならさないといけないだろうことを。
でも、さすがにこれは想定外だった。
躯体から枯れ草が飛び出てるんですけど…www
梁や柱の角(赤枠で囲った部分)から枯れた芝生のような草がたくさん飛び出てる。
もともと、この面取りされたような部分がいやで、直角にしたかった。
というか、実を言えばこの後草を隠す&直角にするためにあることをしたのだけど、大失敗だった…。
さすがに草が飛び出ている壁にペンキを塗るわけにもいかず、塗装はあきらめた。
結露で壁にカビが生えるから
築古マンションの最大の欠点は、断熱という思想が一切ないことだと思う。
コンクリートの躯体に直接壁紙。が基本。
最初の内覧時にすでに窓の下部分は壁紙がベロべロに剥がれていたのも、原因は結露だった。
そして、剥がれた壁紙の下の躯体にはカビが…
草とカビが生える壁にペンキを塗るのは、本当に無理だと判断して、漆喰を塗ることにしました。
なぜなら、漆喰ならある程度の厚みがあるため、壁の凹凸をごまかせるから。
他にも珪藻土などの凹凸が隠れる素材があるけれど、その中でも漆喰にしたのはカビに強いから。
漆喰にカビが生えづらい理由
- 強アルカリ性だから
- 調湿性能があるから
強アルカリ性で最近やウイルスを不活化する
Ph11以上の強アルカリ性の環境ではほとんどの菌は生きていけないのだそうです。
漆喰は強いアルカリ性のため、細菌やウイルスを分解してしまいます。
長崎大学の研究によると関西ペイント社の漆喰塗料でコロナウイルスも5分で99.9%以上を不活化したという結果が出ています。
漆喰塗料の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する不活化を実証(外部リンク)
特にスイス漆喰はPh12.4と日本の漆喰に比べても強いアルカリ性だそうです。
Ph(ペーハー)って学校でならいましたよね。
リトマス紙の実験を覚えています。
吸湿・放湿機能でお部屋の空気を快適に保つ
漆喰には細かな穴があって、湿度が高い時には湿気を吸収し、低い時には放出したりと、湿度調節をしてくれるからですね。
ただ、調べてみると漆喰の調湿作用はさほど高くないみたいです。
下地が土壁の場合に、土壁の働きもあって調湿してくれるようなので、コンクリートや石膏ボードの上に数ミリ塗るだけではたいした効果はないのだとか。
ビニールの壁紙に比べればマシなのかなと…。
和室DIYで使った漆喰は3種類
今回の和室DIYで塗った漆喰は3種類。
- スイス漆喰「カルククリーム」
- ロイヤル通販「簡単練り漆喰」
- PROST株式会社「本漆喰 練り漆喰プレミアム」
なぜ3種類も使ったかというと、メインにはスイス漆喰を使い、アクセントに一部の壁だけ違う色にしようと思ったため。
本当はPROST株式会社の練り漆喰プレミアムをアクセントカラーにと思って最初に塗ったのだけれど、これが大失敗。
色は良かったのだけど、下地の準備不足や経験不足で、てんやわんやなことになってしまった。
ま、それがDIYの楽しさでもあります。
というわけで、塗りやすいとのレビューがたくさんついていたロイヤル通販の練り漆喰も試したみたのです。
両方試してみてわかったことは、ロイヤル通販とPROST株式会社の練り漆喰の大きな違いは「骨材」であること。
その違いが塗りやすさにも大きく影響してきます。詳しくは別記事に書こうと思っているので、もう少しお待ちください。
スイス漆喰をメインに選んだ理由
選んだ理由は3つ。
- 色が本当に真っ白だから
- 漆喰の中でもPhがとても高いから
- 自浄作用があり汚れても自然にキレイなるから
色が真っ白だったと口コミがあった唯一の漆喰が「スイス漆喰」
楽天で色々な練り済み漆喰の口コミを見ていたら、国産の漆喰は「白を選んでも真っ白ではなく、ややクリーム色がかっており残念だった」という内容を複数の漆喰で発見。
唯一真っ白だったという口コミのあったのがスイス漆喰「カルクウォール・カルククリーム」。
海外のおうちみたいな真っ白い壁が良かったので、この時点でほぼ決定していました。
実際に塗ってみて、本当に真っ白で色はイメージ通りでした。
漆喰の中でもPhがとても高くカビ対策が期待できる
スイス漆喰はPhがとても高く、12.4。
取り扱いのある大橋塗料のサイトに、国産の漆喰でこれほどペーハー度が高いものはないと明記されています。
ただ、わが家の環境があまりに悪かったので、2年後にカビが発生してしまいました。
これは、漆喰の問題ではなく、完全にわが家の作りの問題です。
雨上がりの外壁かというくらいに結露していました。
Phが高かろうが、あれだけすごい結露には耐えられなかったようです。
汚れても自然に汚れがなくなりキレイになる
これは、正直買う前には「言い過ぎなんちゃう?」と思っていた部分。
でも、ある偶然から本当に自浄作用があることがわかりました。
ただし、汚れの種類によります。
わが家で偶然検証された汚れは、おそらく窓枠に塗ったオイル塗料と窓枠の汚れです。
水がかかり汚れが窓下の漆喰をかなり広範囲に茶色く汚してしまったのですが、途方に暮れて放置していたところいつの間にか汚れがなくなっていました。
これはかなりビックリしました。
どういう仕組みで汚れが消えるのかわからないけど、すごい!
ちなみに、ハウスダストを寄せ付けないとも書いてあります。
アレルギーを引き起こす合成樹脂など化学成分を一切含まず天然成分100%(成分完全明示)のカルクウォール。スイス伝統の製法でこだわって作られたカルクウォールは、化学成分を使用した漆喰とは違い、静電気の発生がなく、ハウスダストを寄せ付けません。
大橋塗料 楽天市場店
こちらは実際どうなのかわかりませんが、塗ってから4年間のあいだ、カビが生えた部分以外はいつも白くキレイな状態をキープしていることは確かです。
子供がクレヨン?でした落書きはいっこうに消えません。
PROST株式会社「練り漆喰プレミアム」はカラバリ豊富
この漆喰を選んだ理由は、カラバリが豊富だったから。
全19色もあり、その中で自分が探していた色にピッタリな商品が。
私が購入したときには一件もレビューがなくて、やや不安だったけど、思い切って購入。
すごくしっかりと色が出て、そういう意味ではオススメの商品。
ただ、骨材が砂ではないので、ロイヤル通販のものと比べると少し塗りにくい。白を塗りたい人はあえてこちらにする理由はないかも。
ロイヤル通販「簡単練り漆喰」は確かに簡単
こちらは当時3色か4色展開だった気がするけど、今は5色になっている模様。
私が購入したのは「ベージュ」。
こちらはうっすらと色が出るといった感じで、色をパキッと出したいのなら、やはりPROST株式会社の練り漆喰プレミアムの方が良いと思う。
ただ、骨材が砂なので、ロイヤル通販の漆喰の方がマスキングテープを剥がす時など、素人DIYでもきれいに仕上げることができます。
【実践編】DIYで和室の内壁に漆喰を塗る方法
漆喰塗りの作業は大きく二つの工程に分かれます。
- 下地作り
- 漆喰塗り
漆喰を塗る前の下地作りが重要な理由
まずは漆喰を塗るための下地作りが必要です。
わが家の場合、漆喰を塗る壁の種類は2種類。
- コンクリート
- 謎のボード
なぜ下地作りが重要という話をしているかというと、壁の「吸水性」が塗りやすさを左右するから。
壁に水分を吸われてしまうと漆喰塗の難易度があがる!
私が最初に塗ったPROST株式会社の練り漆喰で失敗した要因が、まさにこれでした。
壁に漆喰の水分をあっという間に持っていかれてしまい、硬くてのばせなくなってしまったのです。
不運なことに、漆喰も他社製品と比較しても水分が少なく硬かったんです…。
今なら水を追加すればいいとわかるのですが、初めてだったので訳が分からず…
漆喰に水を加えることも解決策の一つですが、それ以前にシーラーを塗っておくという手もあります。
漆喰を塗る前の下地の作り方
壁の種類によって、少々異なります。
- コンクリート(躯体)
- 石膏ボード風の謎のボード
コンクリートはマンションの躯体そのままの部分です。
特にコンクリートの壁に塗る場合には、漆喰を塗る作業よりも下地作りの方がはるかに手間がかかりました。
謎のボードは白っぽい石膏ボード風のものだけど、石膏ボードより薄く、素材も石膏ではないらしいです。
ゴミを捨てに行ったときに、このボードは石膏ボードではないと言われたので、違うことだけはわかる。けど、何なのかは不明。
ネットで検索してもわからなかったので、50年前には使われていたけど、最近は使われていない物なのかも。
下地作りの作業手順
下地作りの主な作業は3点。作業順に並べています。
- 壁紙を剥がす(必要に応じて)
- コンクリート壁の凹凸を平らにするためのパテ塗り(必要に応じて)
- シーラー塗り
壁紙をはがす
壁紙の上から塗れる漆喰もあるので、その場合は壁紙を剥がす必要はないです。
わが家の場合、すでに壁紙がめくれてしまっている部分があったこと、最初は塗装にするつもりだったこともあり、壁紙を全て剥がしました。
が、控えめに言っても、コンクリートから壁紙を剥がすのはものすごく面倒な作業なので、しないに越したことはないです。
何が面倒かというと、壁紙は裏側に薄い紙が張り付いているのですが、これをコンクリート壁から一片残らずはがすのが本当に大変。剥がれない。マジでやめた方がいい。
壁のデコボコを平らにするためのパテ塗り(省略可)
壁紙をはる場合も行う作業ですが、漆喰は壁紙ほど凹凸が目立たないので、省略してもいいです。
ただし、カルククリームを刷毛塗りする場合には、やっておいた方がいい作業。
なにせ、刷毛で塗る程度の厚みしかないので、コンクリートの細かい穴などが埋まりませんでした。
ま、でも近くで見なけりゃわかりません
シーラー塗り
シーラー塗りの目的は2つ。
- 壁からでるアクなどで漆喰が汚れるのを防ぐ。
- 壁の水分の吸収を阻む。←重要
これは、壁の種類や汚れによって塗るシーラーが変わります。
■基本はカチオンシーラー。
コンクリートや石膏ボード、砂壁などどこにでも塗れて、アク・ヤニ止めをしてくれます。
私は塗料店のアドバイスに従って、日本ペイントの「水性カチオンシーラー白」を購入。
一斗缶が家に来ましたよ…
まだ使いきれなくて物入れの奥で眠っています。
小さいサイズもあります。
■ヤニ汚れがひどい石膏ボードや木部の場合には、ヤニ止め用シーラー。
謎ボードには念のためヤニ止めのためのシーラーを塗った方が良いと言われ、「IPバリアコート」を購入。
でも、製品カタログを見るとカチオンシーラーもある程度のヤニ止めの効果はあり、ヤニ汚れがとても酷い場合以外は使えるようで、ヤニ止め用シーラーは使う必要なかったなと。
その時はよくわからなかったため、アドバイスされたことを全てやっていましたが、お店の方もうちの状況を見ているわけではないので、確実なアドバイスはできないよなーと。
後日コンクリート壁に塗ったカチオンシーラーを石膏風ボードにも塗りましたが、特に問題なくキレイに漆喰を塗ることができました。
ここまで終わって、やっと漆喰を塗ることができました。
漆喰を塗る
私が使ってみた3種類の漆喰の中で、スイス漆喰だけが他と塗り方が違います。
スイス漆喰「カルククリーム」は刷毛塗り、またはローラー塗り。
(鏝でも塗れます)
ロイヤル通販とPROST株式会社の漆喰は鏝塗りになります。
私が目指した塗り方は、なめらかに平らに塗ること。
鏝跡が漆喰の良さだったりもしますが、気持ちの良い和室をめざしていたので、フラットにしたかったのです。
具体的な塗り方は、漆喰ごとに別ページで詳しく説明していきます。
ロイヤル通販とPROST株式会社の漆喰に関しては、また記事ができたらリンクします。
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